勉強計画part2

「青チャートは1日20題やってきてね。英単語は1日100語。アップグレードは1日50問。月曜から金曜までの5日間やれるとして、日曜日に範囲内から無作為に選んだ問題からテストするからね」
「分かりました」

特にキツいと思わなかった俺は、快く了解した。
なんと言ったって、数学と英語だけ勉強すればいいのである。
そして一週間が経った今日、テストが行われた。

結果は‪​───‬全て満点であった。

「すごいねー。頑張ったんだね」
「まあ何回か繰り返し解いたので」
「じゃあ量を倍にしてみよっか」
「え!?」

つまり、1日でフォーカスゴールド40題、英単語200語、アップグレード100問やれとのことである。

「ちょ…ちょっとキツくないですか?」
「何言ってんのよー。中高一貫の進学校の生徒はこのくらい中学生のときに終わらせているのよ?あなたは理三を目指すんでしょ?今は中学の勉強をしているのだと思った方がいいわよ。」
「えぇ……。」

俺は渋々その提案を受け入れた。

「それとね、2週間後に模試があるからね。」
「え、マジっすか?」
「うん。模試といってもマーク模試よ。東進のセンター試験本番レベル模試。あなたはセンターがまだまだだから受けておいた方がいいと思うの。と言っても時期が時期だし気楽に受けて来てね。」

気楽に受けてね。と言われても、やはりそれなりの結果は残したい。

「理科もちょっと触っておきたいなあ」

そんなことを呟くと、

「そうね。教科書レベルのおさらいでもやっといた方が良いかもね。基礎的なことであればそんなに時間もかからないだろうし」
「理科は具体的に何をやればいいですか。」
「私は理科は専門外だから、つよし先生に聞いてみるのが良いかもね。」

つよし先生ー!

彼女がつよし先生を呼ぶと、奥から白髪で彫りの深いダンディな初老がのそのそと現れた。

「なんじゃ」
「相田くんが理科の勉強法を聞きたがってますよ。」

そう言って彼女は自分の仕事机に戻ってそそくさと自分の作業を始めた。

「理科がどうしたんじゃ。」
「いや…理科はどうやって勉強を進めたら良いか聞きたいんです」

すると、先生は語り出した。

「そうじゃのお。基本的には数学、英語の勉強とそう変わらんの。まずは基本的な問題集を覚えるくらい繰り返し解くことじゃ」
「なるほど」
「おぬしは何かそういう問題集を持っておるかの?」
「そうですね…。化学は重要問題集をやってましたが、あまり繰り返せてません」
「じゃあまずはそれを繰り返し解くことじゃな」
「はい」
「それで、おぬし、物理選択じゃったかの?生物選択じゃったかの?」
「物理選択です」
「物理はオススメの問題集があるぞい」
「なんでしょうか?」
「体系物理というやつじゃ」
「あ…持ってます」
「そうか、そうか。ほんじゃあそれを繰り返し解いてみることじゃ。解くたびに新しい発見があるぞい」
「はい。分かりました」

そう言って席を立ち、自習室に向かおうとすると

「あとのお、分からない所があれば、参考書に戻ってちゃんと調べるんじゃよ。」

と、助言をもらった。

そして、なんと理科のテストも塾が作ってくれるらしい。至れり尽くせりじゃないか。

化学、物理共に1日10問ずつ解いてくることを約束した。
今日だけで勉強量が倍以上に増えることが決まってしまった。

以前の勉強時間はダラダラやって7時間程度だったが、集中してやればこの量でも10〜12時間程度で消化できるだろう。
今日は『今は中学の勉強をやっていると思え』といういいアドバイスをもらった。

そうだ。
自分に甘くしている余裕など俺には無い。
やれるところまでやらなければ。
相手は日本一勉強ができるヤツらだ。

志望校が理三になったことで、やる気だけは一人前になった俺だった。
志望校をできるだけ高く持つことは悪くないのかもしれない。
最初のうちは……。